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緊急対処事態とは

武力攻撃の手段に準ずる手段を用いて多数の人を殺傷する行為が発生した事態または当該行為が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態で、国家として緊急に対処することが必要な事態をいいます。なお、緊急対処事態は、後日、武力攻撃事態であると認定される事態を含んでいます。

「緊急対処事態とは具体的にどのようなものかしら?」「緊急対処事態とは武力攻撃に準ずるテロ等の事態をいうんだ。攻撃の対象施設や攻撃の手段の種類により、下に示すような事態例が考えられるよ。」

武力攻撃の手段に準ずる手段を用いた攻撃により甚大な被害が生じる事態

攻撃対象施設等による分類


○危険性を内在する物質を有する施設等に対する攻撃が行われる事態

〈事態例〉

原子力事業所などの破壊
大量の放射性物質などが放出され、周辺住民が被ばくするとともに、汚染された飲食物を摂取した住民が被ばくします。
石油コンビナート、可燃性ガス貯蔵施設などの爆破
爆発・火災の発生により住民に被害が発生するとともに、建物やライフラインなどの被災により、社会経済活動に支障が生じます。
危険物積載船などへの攻撃
危険物の拡散により沿岸住民への被害が発生するとともに、港湾や航路の閉塞、海洋資源の汚染など、社会経済活動に支障が生じます。

○多数の人が集合する施設及び大量輸送機関等に対する攻撃が行われる事態

〈事態例〉

大規模集客施設、ターミナル駅などの爆破
爆破による人的被害が発生し、施設が崩壊した場合は被害が多大なものとなります。

攻撃手段による分類

○多数の人を殺傷する特性を有する物質等による攻撃が行われる事態

〈事態例〉

ダーティボムなどの爆発
爆弾の破片や飛び散った物体による被害、熱や炎による被害などが発生し、放射線によって正常な細胞機能が攪乱されると、後年、ガンを発症することもあります。
生物剤の大量散布
人に知られることなく散布することが可能です。また、発症するまでの潜伏期間に、感染した人々が移動し、後に生物剤が散布されたと判明した場合には、既に広域的に被害が発生している可能性があります。ヒトを媒体とする生物剤による攻撃が行われた場合には、二次感染により被害が拡大することが考えられます。
化学剤の大量散布
地形・気象などの影響を受けて、風下方向に拡散し、空気より重いサリンなどの神経剤は下をはうように広がります。
※ダーティボム
放射性物質を散布することにより、放射能汚染を引き起こすことを意図した爆弾

○破壊の手段として交通機関を用いた攻撃等が行われる事態

〈事態例〉

航空機などによる自爆テロ
爆発・火災などの発生により住民に被害が発生するとともに、建物やライフラインなどが被災し、社会経済活動に支障が生じます。

発生初期の段階では武力攻撃事態であるとの判断が困難な事態

○攻撃を受けた当初の段階において明確に外部からの武力攻撃と認定しがたい場合

弾道ミサイル攻撃
  • 発射された段階での攻撃目標の特定が極めて困難で、短時間での着弾が予想されます。
  • 弾頭の種類(通常弾頭であるのか、NBC弾頭であるのか)を着弾前に特定するのが困難であり、弾頭の種類に応じて、被害の様相や対応が大きく異なります。
  • ゲリラ・特殊部隊による攻撃の場合
  • 突発的に被害が発生することも考えられます。
  • 被害は比較的狭い範囲に限定されるのが一般的ですが、攻撃目標となる施設(原子力事業所などの生活関連等施設など)の種類によっては、大きな被害が生ずる恐れがあります。
  • NBC兵器やダーティボムが使用されることも想定されます。
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