MIMMSとは、Major Incident Medical Management and Support / 大災害時の医療活動に関るシステムという意味である。日本でも05年にMIMMS日本委員会が設立され、受講する医療従事者も増えているほか、DMAT(Disaster Medical Assistance Team / 災害時の医療救援隊)における教育にも活かされている。
MIMMSによって教育される概念として、CSCATTTや、ゴールド・シルバー・ブロンズモデルがある。CSCATTTとは、災害現場で行う7つの対応を表したものである。それぞれ、指揮命令系統をしっかりと立てる「コマンド・アンド・コントロール(Command and Control)」、安全を確認する「セーフティ(Safety)」、確実な情報伝達をする「コミュニケーション(Communication)」、状況をリアルタイムに評価する「アセスメント(Assessment)」、どの人から運ぶべきかを判断する「トリアージ(Triage)」、患者を医療機関に搬送する「トランスポーテーション(Transportation)」、そして治療を行う「トリートメント(Treatment)」である。災害医療においては、最後の3つをスリーTと呼んでいる。また、ゴールド・シルバー・ブロンズモデルとは、指揮命令系統を3段階に分ける概念である。ゴールドは国家レベルの戦略立案、シルバーは現場に近い場所で戦術を立てること、ブロンズは現地対応をそれぞれ意味する。
今回の訓練では、除染前医療を一つのポイントにしている。従来は除染が終わってから医療を行っていたが、それでは除染が終わるまでの30分から1時間の間、医療が受けられないという懸念があり、世界各国で様々な取り組みが行われている。イギリスでは、HART(ハート、Hazardous Area Response Team)という、ウォームゾーンやホットゾーンでの医療提供のシステムがある。今回の訓練では、こういった国際的な動きを踏まえ、世界でも最新の知見を取り入れた訓練を行いたいと思っている。