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「国民保護フォーラム2006」(議事要旨)
テーマ:武力攻撃やテロなどから身を守るために


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 第二部
 ●志方俊之氏 自助・共助の重要性・具体例
  • 何がそういう被害をもたらしたかという違いはあるが、ミサイルが撃ち込まれて、家が倒れてその下敷きになって被害を受けるというのも、地震が起きてビルが倒れて被害を受けるというのも、市民レベルではあまり変わらない。そういう意味で、市民、あるいは国民としては、自分の命を守ることが一番大切だ。
  • 例えば、私が学校で教えていると、自分の死ぬ、生きるは自分の勝手だと言う学生がいる。人が1人死ぬと、4人がかりで死体を収容所まで運び、検死をし、歯型をとり、DNAの検体を採り、血液型も調べ、デジタルカメラで死体の顔も撮り、着衣を記録し、それら情報を全部コンピューターに入れる。君が死ぬのは勝手かもしれないが、みんなを助けなければいけない時にそれだけのことが要るのは大変なことだ。また、自分が無事で目の前に友達が倒れていれば、君は助けるに決まっている。人を助ける意味でも君自身が怪我のないようにしなければいけないし、これが自助である、と言うと納得してくれる。
  • 航空機の領空侵犯やミサイル防衛のように時間が無いような場合は、あらかじめ総理大臣が自衛隊の航空総隊司令官に、一定の条件を満たせば対処せよと権限を与えている。それ以外のことは、逐次に進めて最後に事態認定をするが2〜3時間はかかる。都道府県を経由して現場にいる市町村長に指示が届くまでは5〜6時間かかる。そのため、当面の間、上からの指示が無くても市民を守れる努力をしなくてはならない。しかし、この法律があれば、国や都道府県が出すであろう指示が大体わかるため、一種のフライングをすることができる。これが、共助に入る。
  • 武力攻撃があってこの法律が動く場合、自衛隊が国民保護に回るのは非常に遅くなる。阪神淡路大震災の時も、かなり遠いところから自衛隊が町に入ってきた。そうすると、無線の指示が出ても他県から来た者では地名がわかならい。要するに、市民が協力しなければほとんど何もできなくなる。この協力が公助である。
  • 確かに自衛隊の力はマッシブで、質量があって、自己完結的だから長期間活動できる鉈のような力だ。しかし、個人個人の毛細血管的な力が無いと、自助、共助というのは成り立たない。

 ●片山善博氏 鳥取県での取り組みについて
  • 全国の自治体は計画を作らなければいけないが、鳥取県では、この計画作りを利用、活用した。通常はだいたい国が雛形を作ってくれるので、それになぞらえて作ってしまう。地名を変えればすぐできる計画だが、それをやるとほとんど使えない計画になってしまう。
  • 鳥取県では、国民保護計画だけでなく、他の分野でのさまざまな計画を作る時も、義務付けられれば、いの一番で作ることにしている。これは、自分でオリジナルのものを作りながら考えるということだ。
  • モデルやお手本をもらって作ると自分で考えないが、一から自分で作ると稚拙なものかもしれないが自分で考える。自分で考えることにより課題が摘出される。また、国には現場が無いため、我々の現場で考えた経験や知見を国に提供することができる。そうすると国がお手本やモデルを作る時に、参考にしてもらえるかもしれない。
  • 避難計画を自分たちで考えた後に、自衛隊の皆さんと一緒に図上訓練をして、計画を吟味、検討すると、すぐに計画の至らない箇所が見えてくる。例えば、二車線しかない国道は片側通行にして、別に避難路を確保しなくてはいけない、などだ。試行錯誤しながら作ることにより、我々の力量も高まるし、自衛隊や関係機関との連携や共通の理解、相互信頼ができてくる。それが非常に重要だと思う。
  • 市町村は、少し時間的な余裕を持たせてもらっているが、それでも鳥取県内の市町村は、計画をできるだけ早く作るようにしている。全国でのトップは三朝町で、やはり自分たちで作った。三朝町では、住民の皆さんにも参加してもらって、避難の実動訓練を行った。それができたのも、その町が率先して計画を最初に作っていたからだ。
  • 主体的に地域の住民の皆さんが行動できるようにするために、町内会や、自主防災組織といったところがしっかりするなど、地域の力量が必要となる。町内会単位で機敏な行動がとれるかどうか、そこにリーダーがいるかどうかが、最終的に市町村が非常に重要な役割を果たすための鍵となる。
  • 鳥取県では隊友会という自衛隊のOB会と協定を結び、この分野において会としてまとまって役割を果たしてもらったり、それぞれの会員が住んでおられる地域で、いざという時に避難時の誘導など、集落のリーダー的な役割を果たしてもらったりしている。

 ●福井晴敏氏 強制力と国民のモラルについて
  • 国民保護法は災害対策基本法をベースにしてはいるが、国民感情にある程度配慮したかたちで、国側の強制力を減殺してある。
  • 避難する方々と被災地へ向かう車とがすれ違う際に、どちらかが道を譲らないといけない場合、消防車を優先させると法に明記しても問題はないかもしれないが、戦車であれば問題となる可能性は高い。その兼ね合いで強制力を抑えている。
  • 法に強制力を持たせなくてもその場その場で判断をして協力する、という気分をどうやって育てていくか、というのが基本的な共助の部分だと思う。
  • 大切なのは、消火のために自分の家を壊すことに同意した人を、我々周囲の人間がどう見るか、ということだ。運が悪かったという見方をする人が多いが、これでは一人損するのは嫌だという考えが改まらない。まずは恩義が大事で、自己犠牲に対して立派だという見方をするべきだ。こういう問題はモラルの部分となるが、そこを押さえておけば何か事があっても、大概のことはクリアできるのではないかと思う。
  • 日本人というのは元々そういう気持ちを持っていたが、いろいろなことがあって、この50〜60年でまともなモラルが発動しなくなってしまった。だから、小学生のレベルから、みんなのために何かをするのはいいことだ、と教えることからスタートすることだ。

 ●井上源三氏 国民への強制力・拘束力について
  • 法律では、国民の協力はあくまでも自発的な意思に委ねられるもので、強制にわたることがあってはならない、強制力は無い、ということが明確に書かれている。
  • 他の国、例えばスウェーデンやスイスや韓国では、民間防衛、市民防衛、民防衛隊といった名称で、例えば、何歳から何歳までの男性は隊に入って訓練を受けなければならないなどを、国民に義務付けている。
  • 法に定められていないから何もしなくても良いというのではなく、例えば避難をする時にお年寄りの方々がおられれば、是非助けていただきたいし、目の前で倒れている人がいれば救助していただきたい。
  • 尼崎の列車事故では、たくさんの協力者があった。事故現場の近くにあった日本スピンドルという会社は、操業を全部停止して、従業員150名以上がただちに機械の機具を持って救助にあたった。近くの運送会社は一番クッションの良い車を持って近くの病院まで怪我人を運んだ。学校の先生は救急箱やタオルを持ち出して救助をした。近くの市場の卸売りの方々は氷やタオルを持って怪我人の救援をした。
  • 尼崎は阪神淡路の経験はあったが、協力者の話を聞くと、目の前で倒れている人がいては放っておけない、我々は当たり前のことをしたのだ、別に特別なことはしていないのだ、という方々が大半だった。そういう気持ちはやはり日本人にはあるのだと思う。
  • 強制はしていないが、自発的に協力していただけることが必要だと思う。

 ●飯星景子氏 国民として感じること
  • 普通の人たちが目の前にいる人を助けるために、自分でできることについて何を考えてしたか、こればかりは経験がものを言うし、またある程度の教育というか、普段から慣れ親しんでいることが大切だと思う。
  • こういう人にはこういうふうにしましょうというようなこと、例えば地震がきたら、家でガスの火をつけている人は消すということは、本当に長い間の啓蒙が、ぐらっときたらまず火を消す、という行為に走らせるのだと思う。
  • 訓練も重要だと思うが、まずはその前の段階、私は今何をすべきかを考えるということから、少しずつ始めていった方がいいと思う。
 ○飯星景子氏 質問
  • 有事の際に、首相の判断で道路を封鎖したり、自衛隊や米軍などに優先的に使用させたり、ということは、別の法に無いのか。
 ○井上源三氏
  • 有事法制には10の法律がある。その中に、特定公共施設利用法というのがあり、高速道路などで、自衛隊を優先するのか、避難されている方々を優先するのか、上りと下りの車線をどう分けて使うのか、という総合調整をする権限が、総理大臣に与えられている。もちろん一方的に決めるわけではなく、地方公共団体の方々のご意見を聞きながら、決めて調整していく、というルールだ。
 ○飯星景子氏 質問
  • それは道路、港湾、それから飛行場、あとは、通信も同じなのか。
 ○井上源三氏
  • もちろん、港湾、飛行場、通信も同じだ。

 ●片山善博氏 国民保護における訓練の重要性
  • 基本的な考え方やルールといった計画を決めておいて、あとは現場の事情に応じて、応用力を働かせる、応用力を身につけるということが重要だと思う。

 ●志方俊之氏 今後の情勢と具体的に想定される事例
  • わが国が想定するような国民保護法が適用される事態というのは、大きくは交渉相手がわからない非国家組織といったテロリストや、国家であっても我々の理解を超えるような国で、それらは抑止が効かない。
  • テロとは恐怖という意味であり、総理官邸が狙われるというよりもむしろ、昨日私もそこにいたとか、一列車遅れていたら自分も死んでいたとか、交通公共機関やデパート、地下街といった、不特定多数の一般の市民が利用するところで起こる。それが本当にテロだったのか、とわかるまでにかなり時間がかかる。
  • 日本は55基の原子炉を持っており、その半分くらいは日本海側にある。新潟や福井は原発銀座と呼ばれるくらいある。また、コンビナートもある。地政学的に言うと、海岸を注意しなければいけない。
  • 生物テロの可能性は非常に少なくても、起こった場合に対応のしようがないことを考えると、最も注意しなければいけないと思う。
  • 国民保護法が適用される事態ではないが、大量難民が日本海を渡って漂着してくる場合も、かなり殺気立っている人がいるかもしれないので、注意が必要だ。出入国管理及び難民認定法に従ってきちんと保護しなくてはいけない。
  • しかし、国民保護法が適用される事態でなければ国が出動するまでに時間がかかるので、その間、地元の漁業組合等の一般市民が、国民保護法を頭に入れながら対処していくことになる。
  • 想定外のことが起きるとパニックになるので、いろいろな事態を想定し、それについて訓練やシミュレーションといった一種の疑似体験をしておくことは、非常に重要だと思う。やっていくうちに、おかしい点もわかってくる。

 ●福井晴敏氏 具体的な武力攻撃・テロについて
  • 今まで泥棒が着たら110番を呼べ、火事になったら119番を呼べ、でもミサイルが飛んできたら、といった時に答えられなかったのがこれまでの日本だった。国民保護法が、初めて武力攻撃があった時に何をすればいいのか、というマニュアルを作った。その内容は家の中に入っているという簡単なものだ。
  • ミサイルの種類がわかるまでは、着弾後も外に出ない方がいい。これは今からでも子どもに教えられることだ。子どもがこれを覚えたら、10年、20年と経つと、この行動は常識になる。
  • 地震のない国では、震度1くらいでも驚いてアメリカ人では自分の国に電話をする人もいる。震度1くらいならすぐにおさまる、ということを、日頃、身をもって教えられていれば驚かない。有事の際、何をすべきかを頭に入れておくことで、パニックから避けられる、ということが最大のポイントだと思う。

 第三部
 ●飯星景子氏 まとめ
  • 皆さんのお話を伺っていて、鳥取県が最初に、自分たちでどういう形で避難をさせることができるか、というシミュレーションをなさったということに、大変大きな感銘を覚えた。
 ○飯星景子氏 質問
  • 実際に鳥取県のシミュレーションの結果というのは、どうだったのか。市民の皆さん、県民の皆さんはうまく避難はできたのか。
 ○片山善博氏 回答
  • 法律ができる前に自主的に避難計画を作ったので、その時に少し欲張っていろんなケースを想定した。そのため、例えば全員が避難するのに十数日もかかるなど、かなり非現実的になったが、そのことにより図上訓練で計画のパーツを全部点検することができた。
  • 鳥取県三朝町で行った実動訓練では、いろんな課題が抽出されたがうまくできた。昨年12月の大雪の日に、お年寄りから子どもたちまで、ちゃんと避難してもらうことができた。

 ●飯星景子氏 まとめ
  • 個人も大事だが、その町や村レベルで自主的に考えてやっていただけるということがいかに大切かがわかるし、ぜひお願いしたいと思った。
  • 私自身もコンピューターの2000年問題の時、いろんなものを備蓄したが、家にあんまり置いてあっても仕方がないので全て食べつくしてしまった。今回また改めて、もちろん災害も含めてだが、もう一度自分の身の回りのことを考えてみようという機会になった。

 ●福井晴敏氏 まとめ
  • 皆さんにはぜひ、ご家族や社員の皆さんに、とりあえずパンフレットの、ミサイルが飛んできた時にはこうする、というところだけは教えてあげてほしい。これだけで結構、安心なさると思う。
  • ミサイルが来ると、一瞬で何もかも終わりだと思うかもしれないが、直撃でもしない限りは大丈夫だったりもするので、とりあえずこういった身を守る方法があることを伝え、慣れたところで次の段階の自助や共助といった難しいところへ進む、というくらいでいいと思う。

 ●片山善博氏 まとめ
  • 自分が知事という仕事をしているからでもあるが、この種の有事が起こった時に、しっかりしなきゃいけない立場の人が、いざという時にしっかりできるかどうか、というのが一番重要だと思う。
  • 全ての国民の皆さんに、何があっても的確な行動をとるように、と口では言うが、現実には無理だ。国レベル、県レベル、市町村レベル、地域レベルでそれぞれにリーダーがいて、的確な指示や誘導をしなくてはならない。
  • 国にも今、しっかりした心強い部局ができてきた。県も今、私のところも含めて一生懸命やっている。市町村もやってもらっている。
  • やはり、訓練が非常に重要だと思う。と言うのは、2000年10月に、鳥取県では、マグニチュード7.3、最大震度6強という、あの阪神淡路とほとんど同じ規模の大変大きな地震があった。その時に、スムーズな初動体制がとれ、地震発生から10分後には災害対策本部ができ、必要なことがすぐに進められた。
  • なぜ初動ができたかというと、実は2ケ月前に訓練をしていたからだ。偶然にも、訓練した時に想定したものとほとんど同じ地震が発生した。自信を持って行動に移れるのだから、その時につくづく訓練はやっておくべきだと思った。
  • 国民保護の対象になるような有事の場合も、何かにつけて訓練をしておくといいと思う。いざという時にまず、何をしなくてはいけないのかが、あらかたわかる。その時になってマニュアルを出して読んだり、国民保護計画を見たりするのでは遅い。
  • また、その時にどこの誰がどういう機能を持っていて、どういう支援、協力を得られるのか、ということもあらかた頭に入れておき、後は臨機応変に応用問題として考える力が必要となる。

 ●志方俊之氏 まとめ
  • 日本の場合、相手の国が攻めてくる脅威より、テロ対策を考えた方がいいと思う。日本は清く正しく大人しく国家を運営してきたから、恨まれることはないし、日本にテロは無いと思うかもしれないが、テロにあう可能性はある。
  • 日本は小さな4つの島に、1億2千万という多くの国民が住んでいて、しかも世界で2、3位の経済的なレベルを持っていて、エネルギーの90%以上、そして食糧の60%を輸入している。これは外から見ると不思議で、絶対に日本はどこかで悪いことをしているに違いない、と考えるテロリストもいると思う。
  • だから、日本はテロの対象ではないと思うことはやめ、いつあってもおかしくないというくらいに、備えておいたほうがいい。陳腐な言葉だが、備えあれば憂いなし、ということだ。

 ●井上源三氏 まとめ
  • 写真:会場2年弱前に法律ができ、今、計画作りをさまざまな段階で進めている。ハード面、ソフト面共にまだこれからという部分もあるが、地方公共団体や関係機関とよく連携しながら、確実に体制整備を進めていきたいので、ご協力を賜りたい。
  • 計画は、国も都道府県も立派なものを持っている。100ページ以上ある膨大な量のものであるが、おそらく実際の時には役に立つのは難しいと思っている。そのエッセンスを、我々が頭だけじゃなくて、身につけていくことが必要で、それは丸暗記ではなく、やはり訓練をして覚えていくことが必要だと思っている。
  • 昨年、地方公共団体と国で実動訓練を1回、図上訓練は鳥取、埼玉、富山、佐賀県、4県合同で実施した。今年度は実動訓練を3回、図上訓練は8回実施したいと考えている。そういう機会をどんどん増やしていきたいので、国民の方々も是非ご参加いただきたい。
  • 十数枚くらいのパンフレットであるが、10分あればざっと見られるので、後ほど是非、ご覧になっていただきたい。
以上
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